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岩井 保則; 中村 博文; 小西 哲之; 西 正孝; Willms, R. S.*
Fusion Science and Technology, 41(3), p.668 - 672, 2002/05
核融合実験炉の燃料循環システムではトリチウムの大部分が水素同位体分離システム(ISS)の深冷蒸留塔に液の形で滞留する。ISSの冷却材喪失事象は塔内の液化水素の異常な蒸発を引起こす。核融合炉の安全性の観点から、冷却材喪失事象時のISSの挙動を把握し、数値評価手法を確立することを目的に、日米協力の下、米国ロスアラモス国立研究所トリチウムシステム試験施設の核融合実験炉規模の深冷蒸留塔で冷却材喪失事象模擬試験を世界で初めて実施した。定常状態における深冷蒸留塔内の水素同位体インベントリーの所在を評価した後、冷凍機を手動で停止させることで冷却材喪失事象を模擬した。また同時に再沸器のヒーター出力を零とした。塔内の圧力が定常時の106.7kPaから液の蒸発とともに上昇し、235kPaに達するまでに90分を要することを観測し、水素吸蔵ベットを用いた水素急速回収等により圧力上昇を防ぐ十分な時間猶予があることを見いだした。